Saflex PVB中間膜について

沿革

1938年にモンサント社はカナダのショーイニガンレジンス社との合弁事業によりPVB樹脂の製造を開始し、これに伴い同年にマサチューセッツ州スプリングフィールドにある隣接工場にてSaflexブランドの中間膜の製造を開始致しました。 PVB中間膜は従来から使用されてきたセルロースアセテート製と比較して大幅に向上した処理能力および車載フロントガラスに必要とされる性能を備えていたため、この用途で従来品に取って代わる製品として急速に利用されるようになりました。 1950年代の初頭までには、建築用途への合わせガラスの使用が増加し始め、カラー中間膜製品がこの用途に導入されました。 その後、モンサント社ではグラデーションカラーバンドを自動車用中間膜に適用するプロセスを開発し、1951年にその商用化を開始しました。1960年代の初頭にモンサント社はその生産設備をミシガン州トレントンとベルギーのヘントに設けて生産能力を拡張し、最初の「HPR(高い耐貫通性を有する)」中間膜を1965年に発表しました。この製品は車載フロントガラスの貫通耐性を約3倍にまで高め、米国において合わせガラスの必要性能に関する連邦規格が1967年に制定されました。 1997年には、モンサント社の化学事業部門は分離独立し、ソルーシア社が設立されましたが、同社は2012年にイーストマンケミカルと合併しました。イーストマンケミカルは今後も業界をリードするSaflexの製品としての位置付けを維持し、合わせガラス市場に貢献する責務を遂行する取り組みを維持します。 イーストマンケミカルはPVB中間膜の業界リーダと認識され、生産設備を世界各地に拡張する取り組みを継続しており、優れた合わせガラス処理性能と耐久性を備えた製品の提供によって合わせガラス業界の新しいニーズに応え続けてまいります。

Saflex PVB中間膜とは?

Saflexは加熱圧着によるガラス接合によって安全合わせガラスを構成する可塑化ポリビニルブチラール (PVB) 膜です。ガラス層の間に挟み込まれたSaflex中間膜は、合わせガラスの性能特性を向上する役割を果たします。 建築や車載をはじめとする輸送機関用、および特殊用途向けの合わせガラスに使用されるよう、各種形態、色、厚みで製造され、これは適切な低温化にて保存/保管される、URM(冷蔵品)または中間膜間に剥離シートを挟み込み常温環境下でも保存/保管できるUIM(インターリーブ品)として販売されています。

具体的な製品の入手可能性に関する情報については、最寄りのSaflex販売代理店にお問い合わせください。.

組成

Saflex®ブランドPVBは、約75%のPVB樹脂と約25%の可塑剤で構成される膜です。 建築グレードのSaflexはSanticizer®S2075可塑剤またはトリエチレングリコールジ2エチルヘキサン塩酸で可塑化されています。特殊グレードのSaflexの組成は上記と異なります。 接着コントロール、紫外線遮断剤、カラーの性能ニーズに対処するために、特性の異なる他の物質が少量追加されています。

厚み

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"紫外線、可視光線、近赤外線に対する特性 "

Saflex® 中間膜には、合わせガラスを透過する紫外線の量を大幅に低減する紫外線安定剤が含まれています。
厚みが異なる各種ガラスのデータを必要とされる場合は、イーストマンの技術サービス代表部門にお問い合わせください。